映画『花戦さ』は秀吉をもうならせた初代『池坊専好』の話

日本を代表する文化・華道といえば池坊と思われる方も多いことでしょう。
現在、戦国時代に活躍した初代・池坊専好を描いた映画『花戦さ』が公開されています。
私も、観てきました。

花戦さ

今では『華道』は華やかな世界というイメージがあります。
ところが初代・池坊専好が活躍した時代は戦国時代の終わりから江戸時代にかけて。
日本の歴史の中で最も残酷な時代でもあります。

今では美しい都・京都も焼け野原で、想像もできませんが河原では横たわる屍がゴロゴロ。
映画では、そんな屍に花を供え弔う初代・池坊専好の姿に心を奪われます。
優しさが画面いっぱいに溢れる池坊専好の優しい心。
そう、この映画のキーワードは『心』ではないでしょうか。

そして注目なのが演じる俳優陣。
主役の池坊専好を演じるのは狂言界のトップスター・野村萬斎さん。
さすが狂言師と思わせる顔の演技が圧巻です!
意外だったのが市川猿之助さんの豊臣秀吉。
ところがですね、憎々しいけど最後は許してしまいたくなる人間味溢れる演技に引き込まれました!
千利休役の佐藤浩市さんも、達観したかのような素敵な千利休でした!

観ていて驚いたのは、主役級の俳優勢揃い!
とっても贅沢な配役です!
少しの出演でしたが、中井貴一さんの織田信長にもピリピリ感が溢れて、観ている私もドキドキ!
でも、物語の大切なキーワードをおっしゃってましたね!
映画を観ていて、タラレバですが、織田信長が暗殺されなかったら時代は変わっていたでしょうね。

そして話は『花戦さ』に!
池坊専好は秀吉に戦いを挑むのですが、それは『花』を使ったもの。
これが、今でも語り継がれる『前田邸大砂物』。
池坊専好が豊臣秀吉に前田利家邸で披露したものです。
実は、5年前に日本橋高島屋で開催された『いけばなの根源池坊 550年記念特別展』で再現されていました。

池坊 前田邸大砂物

生花は、お花を飾るものだと思っていた私は、大きな松を使った生花に驚きました!
カメラに収まらなくって、撮影に苦労した思い出があります。

実は、この『前田邸大砂物』には仕掛けがあります。
猿が松の木で遊んでいるかのように見えます。

池坊 前田邸大砂物

また、この猿の演出もドキドキするくだり。
『いけばなの根源池坊 550年記念特別展』で観たときは、秀吉のことまでは分かっていなかった私。(説明があったかもしれないけど読んでなかったですね)
なので、映画ではドキドキしましたね。

それにしても猿が松の木で遊んでいるかのような生花を555年も前に考えたとは!
本当に池坊専好のセンスの良さを感じさせましたね!

映画では、この『前田邸大砂物』が大きな核となります。
今は大きなものを運ぶのに、トラックもクレーンもあります。
戦国時代にあれほど大きな生花を飾るのは本当に大変!
おそらく秀吉の感動は現代に生きる人以上だったのではないでしょうか?

戦国ものを扱った映画やドラマは数々観てきましたが、生け花を通しての戦国の世は初めて!
戦国時代というと、派手な戦いがデフォルトですが、それはありません。
戦いを描かなくても戦国時代が残忍であるというものは伝わってきました。
『生け花』のファインダーを通すことで、より当時の人の思いが分かったように思います。

そして観ていて一貫して思ったのは『心』。
池坊専好の河原に横たわる屍に祈りを捧げる姿、危険を冒しても亡き千利休の思いを伝えようとする姿、自己実現ではなく人のためなんですよね。
とても感動しました。

『花戦さ』は、池坊専好という戦国時代の華道家の話なんですが、現代の人々も考えさせてくれる話だと思いました。
『心』というものを考えたくなったら、ぜひ観て欲しい映画だと思いました。

『花戦さ』は、絶賛公開中です!
映画『花戦さ』の主人公・池坊専好(初代)の公式サイトはこちらです。
▶︎ 初代 池坊専好


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